目次

• ・インバウンド集客の重要性

• ・基本的なインバウンド集客方法3つ

• ・飲食店必見のインバウンド集客施策5つ

• ・店舗のインバウンド集客対策を見直そう

2022年10月、観光目的の個人旅行が解禁されるなど水際対策が大幅に緩和されたことにより訪日外国人客は増加を続けています。今後も、インバウンド客は増加を続けていくとみられ、飲食店は国内客のみならず、インバウンド客もターゲットにした集客が重要となります。今後に備えてインバウンド集客に関する正しい知識をつけておきましょう。今回は基本的なインバウンド集客の方法から、飲食店に特化した施策をご紹介します。

インバウンド集客の重要性

インバウンド集客とは、訪日外国人観光客をターゲットとした施策のことです。国際線の就航数が回復傾向にある中で、インバウンド集客の重要性が高まっています。

飲食店が今からインバウンド集客に取り組むべき理由は、次の3つです。

• 訪日外国人観光客が急増している

• 国内での集客には限界がある

• 他の店舗との差別化が図れる

今後のインバウンド需要に備えて、インバウンド客に対応できる店舗づくりを進めましょう。

インバウンドに関する詳しい解説は、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。

「よく聞くインバウンド観光とは？訪日観光客が抱える3つの悩みも解説 」

訪日外国人観光客が急増している

日本政府観光局が発表した訪日外客数の統計をみると、2023年8月は訪日外客数200万人を超え、コロナ前の2019年から85.6％まで回復しています。2022年10月に、入国制限が緩和されて以降、国際線の増便や中国人団体旅行客の解禁などの影響によりインバウンド客は増加を続けています。政府は2030年までに訪日外国人客数を6,000万人に増やすことを目標としており、インバウンド客増加に伴い飲食店の対策も必須となってきます。

参考：日本政府観光局「訪日外客数」（2022 年 12 月および年間推計値）
参考：日本政府観光局「訪日外客数」（2023 年 8 月推計値） 
参考：国土交通省観光庁ー訪日外国人旅行者の受入環境整備

国内での集客には限界がある
日本の抱える課題の1つとして、人口の減少が挙げられます日本は依然として人口の多い国ですが、国内の日本人だけをターゲットにしている場合は、10年単位の長期戦略を考えると、継続的な売上増加は難しくなってくるでしょう。
反対にインバウンド客をターゲットにすれば、訪日外国人の数が増加しているため、対象となるマーケットが広がります。将来を見据えて、インバウンド集客に目を向ける必要があるでしょう。

インバウンド集客に積極的に取り組み、インバウンド客にも認知してもらえる店舗になれば、これから大きなビジネスチャンスを掴めるでしょう。

他の店舗との差別化が図れる
外国人観光客の増加が見込まれている今の時点から、少しずつ準備を進めれば、数年後には近隣のお店との差別化ができるでしょう。飲食店のインバウンド集客には、多言語対応のメニューやホームページの準備やキャッシュレス決済の導入、お店の情報発信など、着手するべきポイントがたくさんあります。

そのため、現時点で十分なインバウンド対策が取れている飲食店は少ないといえるでしょう。これからご紹介する具体的な集客方法を参考にしながら、外国人観光客から選ばれる店舗作りをしていきましょう。

基本的なインバウンド集客方法3つ

インバウンド集客の重要性を理解したら、実際に飲食店で活用できるインバウンド集客方法を3つご紹介します。

• SNSアカウントの運用

• 旅行メディアにお店の情報を掲載する

• 口コミを集める

それぞれの集客方法を上手く組み合わせて行うのが、インバウンド集客成功のカギです。詳しい内容を早速チェックしてみましょう。

インバウンド対策を成功させるポイントについては、こちらの記事でも解説しています。

「今から始めたいインバウンド対策！具体的な事例や成功のポイント解説」

1.SNSアカウントの運用

飲食店のインバウンド集客には、店舗の魅力を効果的に伝えるためにSNSの活用が欠かせません。観光庁の「訪日外国人の消費動向」によると、出発前に得た旅行情報源の項目でSNS（23.7％）が個人ブログ（30.6％）に次いで第2位を獲得しています。

店舗のアカウントを作って積極的に情報発信を行うことで、海外のユーザーにも店舗の魅力を伝えることができます。それぞれの特徴を理解し、店舗に合ったツールを採用することが重要です。

主なSNSの特徴を確認しておきましょう。

• X(旧Twitter)：文字情報重視、拡散性が高い

• Instagram：視覚情報重視

• TikTok：視覚情報重視、拡散性が高い、若年層に強い

• Facebook：情報量重視、実名制

各SNSの特徴を理解して、店舗に合ったツールを採用するのが大事です。

参考：観光庁ー訪日外国人の消費動向

X(旧Twitter)を利用したインバウンド集客

Xは他のSNSと比べても、拡散力が高いのがメリットです。文字情報に特化しており多くの人の興味を引くコンテンツであれば、不特定多数の人にまで広く情報が伝わります。

テキストの文字数は140文字までに制限されているため、お店のリアルタイム情報を発信するのに適しているでしょう。投稿内容は短く簡潔にまとめ、詳しい情報はホームページのリンクへ誘導する形にします。

飲食店の場合は、営業時間変更のお知らせや新メニューの紹介、イベントの告知などに活用できます。

Instagramを利用したインバウンド集客

Instagramの特徴は、テキストよりも写真が注目される可能性が高いことです。店舗の雰囲気や自信のあるメニューの魅力を伝えられるため、飲食店と相性の良いツールです。

ハッシュタグを使って情報検索やお店選びをする人が多く、インバウンド客にアピールするにはハッシュタグの活用が不可欠です。例えば、地名や料理やお店のジャンルなどに関するハッシュタグを使用することで、より多くの人にコンテンツが表示されるようになります。

写真自体のクオリティーも非常に重要です。角度や照明にもこだわって撮影し、魅力的な写真をセレクトしましょう。

TikTokを利用したインバウンド集客

Tik Tokは動画コンテンツに特化しており、視覚的に魅力的なコンテンツが拡散されやすいのが特徴です。

ユーザーの過去の視聴履歴や検索履歴などから、趣味嗜好に合わせた動画を自動的に表示するため、質の高い動画を作成し投稿すれば、フォロワーが少なくても多くのユーザーに届けることができます。

飲食に関わるハッシュタグを追加することで、インバウンド客向けにもアピールを強化できます。BGMなどもトレンドを意識した投稿をすることで、若い世代を中心に拡散される可能性が高まります。

Facebookを利用したインバウンド集客

Facebookは実名で利用するSNSであり、お店のファンになってくれた顧客とのコミュニケーションも取りやすいのがメリットです。リアクションしてくれたユーザーの年齢層や性別も収集しているためデータを元に広告を出すこともできます。メニュー発表やイベントのプロモーションなどに活用できます。

Facebookには、文字や写真だけという投稿よりは、しっかりと作り込んだ完成度の高いコンテンツが多くみられます。

XやInstagramとは異なり、長期的な関係を築くのにも適しています。紹介しきれなかった、お店のこだわりなどを投稿するのにもおすすめのツールです。

2.旅行メディアにお店の情報を掲載する

インバウンド客が日本についての情報を集める際に、自国の旅行メディアも有力な手段です。日本語が分からなくても問題がないため、まずは旅行メディアをチェックするという旅行者もいるでしょう。

世界的に有名な旅行メディアに登録すれば、多くのユーザーに店舗のアピールができます。口コミの投稿や予約受付ができるサイトもあり、お店の集客にプラスになる部分も多いはずです。

ただし、旅行メディアへの掲載や広告出稿には、高い費用がかかる場合があります。掲載費用と期待できる効果を検討し戦略的に活用していきましょう。

TableCheck Channels　あなたのお店に、世界中から上質なゲストを。

3.Googleマップで口コミを集める

口コミはお店選びにおいて、重要なポイントになり得ます。実際にお店を利用した人の口コミは、広告よりも説得力があり、信頼性が高い情報源となり得ます。

インバウンド集客では、旅行メディアやSNS、Googleマップで口コミを集めることができます。会計時の声掛けや口コミ投稿イベントなど、口コミを書きこんでもらう工夫をするのも効果的です。

インバウンド客にとって、自国の言語の口コミ評価が高い店舗であれば、信頼性が高く安心して利用できるでしょう。

なかでも近年、利用者が急増しているのがGoogleマップです。お店側からオーナー登録を行えば、営業時間やお店の紹介文など公式情報を掲載でき、さらにGoogleマップ上から予約が可能になる「Googleで予約」機能も使えるようになります。グルメサイトより多くの口コミなどの情報が集まるGoogleビジネスプロフィールをしっかり活用して、多くの口コミを集め、インバウンド集客に活かしていきましょう。

飲食店集客に欠かせないGoogleビジネスプロフィール！メリットと活用法をご紹介

飲食店必見のインバウンド集客施策5つ

ここからは、インバウンド客が快適に過ごせるお店づくりのポイントを5つご紹介します。

• 無料Wi-Fiの設置

• 外国語メニュー・看板の設置

• ホームページの多言語化

• キャッシュレス決済の導入

• 多言語翻訳ツールの導入

どの施策も、インバウンド客のための店づくりには欠かせません。まだで対応できていない項目があれば、1つずつ準備を進めていきましょう。

1.無料Wi-Fiの設置

インバウンド客は、次の目的地への交通手段の確認や情報収集のために、無料Wi-Fiのある場所を好む傾向があります。Wi-Fiが利用できるお店というのは、飲食店の集客においてもプラスになるでしょう。

特に国によっては日本よりWi-Fiの設置が進んでいることもあり、Wi-Fiが使えないことに不便さを感じてしまうかもしれません。顧客満足度を向上させ、リピーターを増やすためにも、無料Wi-Fiの設置を積極的に検討してみてください

2.外国語メニュー・看板の設置

飲食店の場合は、外国語メニューの準備や看板の設置がインバウンド集客の重要なポイントです。ある程度日本語を理解できる人であっても、食材や調理法に関する専門用語は理解しにくいこともあるため外国語のメニューがあると喜ばれるでしょう。

特にアレルギーがあり特定の食材を避けないという場合でも、自分でメニューの内容が確認できることが安心材料となります。写真も掲載して、分かりやすいメニュー表を作成しましょう

また、外国語のメニューを提供するだけでなく店舗外でもインバウンド客にアピールできるよう、看板にもおすすめメニューや料理のジャンルなどを、外国語で記載しておきましょう。

3.ホームページの多言語化

ホームページを多言語化しておくことも、効果的なインバウンド集客施策の1つです。インターネットで情報収集をする旅行客に向けて、より詳しくお店を紹介することができます。

日本語のホームページしかないお店よりも、英語や中国語に切り替えて閲覧できるホームページを提供する店舗の方が、インバウンド客にとっては利用しやすいと感じてもらえるでしょう。

SNSや旅行メディアと連携させる際にも、多言語化されたホームページが必要になります。

4.キャッシュレス決済の導入

インバウンド客の場合は、現金よりもクレジットカードなどのキャッシュレス決済が便利だと感じている場合が多いです。現金でしか支払いができないと、十分な現金を持っていない場合はお店を利用できません。

キャッシュレス決済の導入は、利用者の利便性向上だけではなく、店舗側にもメリットがあります。現金を取り扱う頻度が減るため、スタッフの対応の負担が減り、人為的なミスも防げるでしょう。

お店で利用できる支払い方法が決まったら、店先にも明示しておくことで、お店選びをしている顧客に対するアピールポイントとなります。

ただし、種類によってはお店側に支払い時の手数料が発生する場合もあるため、導入前に検討することが重要です。

5.多言語翻訳ツールの導入

外国語のメニューだけではなく、多言語翻訳ツールがあるとより安心です。顧客から料理の詳しい説明を求められた際にも、多言語翻訳ツールを使えば落ち着いて対応できます。

ツールを通してコミュニケーションを円滑に行えるようになれば、会話や交流が可能になります。

いくつかの言語に対応できるタイプであれば、さまざまな国の顧客に対して手厚いサービスで迎えられます。

店舗のインバウンド集客対策を見直そう！

インバウンド客の増加に備えて、今からインバウンド集客を始めることが大切です。旅行メディアへの掲載や無料で利用できるSNSの活用など、お店に合った集客方法を見つけるようにしましょう。

今回は将来的なインバウンド需要に向けた集客施策を解説しましたが、インバウンド集客に依存しすぎるのも実はリスクを伴います。

お店の売り上げのうち、インバウンド客が占める割合が大きくなりすぎると、地政学的リスクにより売り上げが大きく左右される可能性が否めません。しっかりと国内客の常連を獲得したうえで、インバウンド客の獲得や受け入れ態勢の整備をしていきましょう。