よく聞くインバウンド観光とは?訪日観光客が抱える4つの悩みも解説

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2023年11月16日 - 5 min read

よく聞くインバウンド観光とは?訪日観光客が抱える4つの悩みも解説

観光分野で頻繁に耳にする「インバウンド」とは、外国人観光客が日本を訪れることを示す用語です。

インバウンドとはどのようなものかをわかりやすく説明し、飲食店で訪日外国人客が直面する3つの課題について詳しく説明します。

インバウンドとはもともと「内向き」の意味

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インバウンド(inbound)は、もともと「内向き」や「外から中に入り込む」などを意味する言葉です。インバウンドの対義語として、アウトバウンド(outbound)という言葉もあります。

近年、インバウンド本来の意味から派生し、観光やビジネス、ITなど幅広い分野で使われるようになりました。ここでは、インバウンド観光やビジネスにおけるインバウンドの意味について、簡単に解説します。

インバウンド観光とは

インバウンド観光とは、外国人が旅行で日本に訪れるということを指します。インバウンド観光が盛んになると、国内の飲食店や宿泊施設、観光地、小売業などの多くの業種で経済効果を期待できます。

なお、インバウンドの対義語であるアウトバウンドは、観光分野において日本人が海外へ旅行するという意味で用いられます。

ビジネスにおけるインバウンドとは

ビジネスシーンで「インバウンド」という言葉が用いられる場合、「主に取引先から自社への働きかけ」を意味します。

インバウンド営業とは、飛び込みなどで手当たり次第に営業(アウトバウンド営業)するのではなく、問い合わせが予想される見込み客に絞って営業することです。

本記事では、観光分野におけるインバウンドを中心に解説していきます。

インバウンド観光の現状を把握する

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官民協力による訪日外国人旅行者向けの観光促進活動、「ビジット・ジャパン事業」が2003年に開始されてから2019年まで、訪日外国人の旅行者数は着実に伸びていました。

2012年の訪日外国人客数は836万人でしたが、7年後の2018年には約3.8倍の3,119万人を記録しています。

訪日外国人旅行者数が3,000万人を突破した一方で、さまざまな課題も浮上しています。ここでは、インバウンドが注目された背景や現状と課題について確認していきましょう。

インバウンドが注目された背景

インバウンドが注目された背景のひとつが、「ビジット・ジャパン事業」の開始です。事業開始時の目標である「2010年に訪日外国人旅行客数1,000万人」は、3年後の2013年に達成しました。2016年には「2020年に4,000万人、2030年に6,000万人」という新たな訪日外国人旅行者数の目標を設定しています。

また、2013年に2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定したことも、インバウンドが注目されるきっかけとなりました。

インバウンドの現状と課題

当初、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴い、2020年には訪日外国人客数が大幅に増加することが期待されていました。しかし、実際は2020年に新型コロナウイルスが拡大したことで、訪日外国人数の大幅に減少という結果になったのです。

2019年の訪日外国人客数は3,188万人であったのに対し、2020年は412万人、2021年は25万人にまで減少しています。2020年、2021年はインバウンド観光が冷え込んだ年といえるでしょう。

その一方で、2022年からはインバウンド観光復興の兆しも見受けられています。2022年10月から入国制限が撤廃されて以降、訪日外国人客は急激に回復しています。2023年9月の入国者数は218.4万人と2019年同月比96.1%と新型コロナウイルス拡大前の実績に迫る勢いを見せています。

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さらに、日本での外食に対する関心はコロナ前以上に高まっており、テーブルチェックの予約データをみると、2022年12月の予約件数は、2019年同月比で3倍にまで増加しています。昨年末の入国者数が2019年同月比で7割弱にとどまっていたことを考えると、日本で外食を楽しむ訪日客は急増していると考えられます。

参考:観光庁「観光を取り巻く現状及び課題等について」
参考:日本政府観光局「ビジットジャパン事業」
参考:国土交通省「国土交通白書 2020」
参考:観光庁「訪日外国人旅行者数・出国日本人数」
参考:2023年9月推計値(2023年10月18日発表)(PDF)


インバウンド観光にまつわる用語をおさえる

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観光分野において、「インバウンド観光」以外でも「インバウンド」にさまざまな言葉を加えた造語が使われています。代表的な造語が、以下の4つです。

  • インバウンド効果

  • インバウンド消費

  • インバウンド需要

  • インバウンド特需

インバウンドについての理解をさらに深められるように、それぞれの意味について詳しく解説していきます。

インバウンド効果とは

インバウンド効果とは、訪日外国人客が日本に経済効果を与えることです。訪日外国人客が日本滞在中に商品を購入し、サービスを利用することで、日本の経済成長につながります。

また、訪日外国人客が首都圏だけではなく日本の地方都市を訪問すると、その地域の雇用創出や消費の拡大につながります。このように、地域活性効果もインバウンド効果のひとつといえるでしょう。

さらに、訪日外国人客が現地で日本文化を体験し、日本の伝統に関心を持つこともインバウンド効果です。興味を持った外国人が訪日以降に関連する物品やサービスを購入するようになれば、日本の伝統文化を守ることにもつながります。

インバウンド消費・需要とは

インバウンド消費とは、訪日外国人客による日本国内での消費のことです。2015年頃に話題になった「爆買い」も、インバウンド消費の一例といえます。

観光庁の発表によると、2019年における訪日外国人の旅行消費額は4兆8,135億円でした。消費額のうち、買い物代が占める割合がとても多く、宿泊費、飲食費があとに続きます。

国籍・地域別で見ると、中国からの旅行客の消費が多く(36.8%)、2位が台湾(11.5%)、3位が韓国(8.8%)です。ただし、1人当たり旅行支出額の順位は異なり、1位はオーストラリア(24.8万円)で、英国(24.1万円)、フランス(23.7万円)が続きます。

ただ、近年ではインバウンド消費も日本国内の消費動向と同様、モノからコトへの移行が強まっています。中国人の「爆買い」は2015年がピークで、「宿泊費」「飲食費」などコトの消費が増加傾向にあります。

インバウンド需要とは、訪日外国人客による日本の商品やサービスに対する需要(ニーズ)のことです。インバウンド消費とインバウンド需要は、同じような意味合いで用いられることもあります。

インバウンド特需とは

インバウンド特需とは、訪日外国人客の増加がきっかけとなって経済に良い影響を与えることです。

特にオリンピックやW杯などの世界的なイベントが開催されるタイミングは、インバウンド特需が起こりやすい事例です。

参考:観光庁「2019年の訪日外国人旅行消費額(確報)」

参考:国土交通省「インバウンドの現状」

飲食店で訪日観光客が抱える悩み4つ

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2019年に観光庁が実施した調査結果によると、「旅行中に困ったことはなかった」と答える訪日外国人客が38.6%を占める一方で、「ゴミ箱の少なさ」や「施設等のスタッフとのコミュニケーションが取れない」、「無料公衆無線LAN環境」、「クレジット/デビットカードの利用」など、さまざまなことで困っている人もいるようです。

2019年には、訪日外国人客が旅行で使う飲食費は1兆397億円もの額を計上していたため、インバウンド観光がまた盛り上がることで国内における飲食店の売上増加が期待できます。

しかし、訪日外国人客の気持ちを理解していなければ、どれだけインバウンドが盛り上がっていても自分の店に来てもらえません。

今回は、特に飲食店に関係がありそうな以下3つの悩みに焦点を当て、詳しく解説していきます。

  • 予約しづらい

  • 店員とのコミュニケーションが取れない

  • キャッシュレス決済普及の遅れ

  • Wi-Fi環境が整っていない

1.予約しづらい

訪日外国人客が日本の飲食店を予約する際に、言語や時差の壁が課題として挙げられます。電話予約では、相手の言語が理解しづらかったり、営業時間外であったりすることがあり、これが円滑な予約手続きを難しくしています。また、訪日外国人客が日本の地域や文化に馴染みがない場合、予約の際に不安を感じることもあります。

ネット予約を導入することにより、言語、時差の壁なく24時間どこからでも予約をすることが可能になります。これにより、訪日外国人客もストレスなく予約をすることができ、より広い顧客に向けた集客ができるようになります。

2. 店員とのコミュニケーションが取れない

2019年に実施された観光庁の調査結果によると、「施設等のスタッフとのコミュニケーションが取れない」を旅行中の悩みとして挙げた訪日外国人旅行者の割合が17.0%で、困ったことの中で第二位でした。飲食店に置き換えて考えると、店員とのコミュニケーションに悩みや不満を抱えている訪日外国人客が一定数いるといえます。

日本人スタッフが言語の壁によって訪日外国人客とのコミュニケーションに抵抗を感じていることが課題につながっている可能性があります。

3. キャッシュレス決済普及の遅れ

飲食店における決済の不便さも、訪日外国人客の抱える悩みといえるでしょう。観光庁の調査結果で旅行中に困ったことの割合で、「クレジット/デビットカードの利用」と回答した訪日外国人客が7.0%、「その他決済手段(モバイルペイメント等)」が2.6%存在しました。

2018年における世界主要国のキャッシュレス決済状況を見ると、上位の韓国は94.7%、中国が77.3%、カナダが62.0%に及ぶにもかかわらず、日本は24.2%にとどまります。キャッシュレス決済先進国との意識の違いも、訪日外国人客が決済面に不便を感じる要因といえるでしょう。

ただし、キャッシュレス導入を進めるために政府も助成金支給などのさまざまな対策を打ち出しており、飲食店もキャッシュレス決済を導入を検討することが重要です。

4. Wi-Fi環境が整っていない

旅先で情報を取得するため、Wi-Fi環境は訪日外国人客にとって欠かせない要素です。しかし、日本のWi-Fi環境に不便さを感じる訪日外国人客も少なくありません。

観光庁もWi-Fi環境の問題に対処するためにいくつかの対策を講じており、不満が減少しています。

飲食店が自店でWi-Fiを提供することで、訪日外国人客の来店を促進する可能性があります。ただし、Wi-Fi導入にはコストがかかり、長時間滞在する顧客がWi-Fi目的で訪れる可能性もあるため、検討が必要です。

参考:観光庁「訪日外国人旅行者の「困った」が減少!一方、地方部の受入環境には課題も~受入環境整備の促進に向けて、訪日外国人旅行者を対象に、訪問地ごとの状況についてアンケート調査を実施~」

参考:⼀般社団法⼈キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ 2021」

飲食店ができる3つのインバウンド対策

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インバウンド対策とは、訪日観光客が日本滞在中にできるだけストレスなく快適に過ごせるように、施策を講じることです。訪日観光客が抱える代表的な悩みを解決するため、飲食店ができるインバウンド対策の代表例として以下が挙げられます。

  • 外国語対応を心がける

  • Wi-Fiを使えるようにする

  • 決済システムを整える

  • 簡単に予約できるようにする 

ここでは、4つの対策について解説していきます。

インバウンド対策の概要や具体例についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

今から始めたいインバウンド対策!具体的な事例や成功のポイント解説


1. 外国語対応を心がける

飲食店が外国語に対応することは、訪日外国人客とのコミュニケーションを円滑にするために重要です。

多言語対応のネット予約ページやメニューを作っておけば、コミュニケーションが難しくても訪日外国人客がスムーズに予約・注文できるようになるでしょう。

アレルギーや宗教上の理由があるため、メニュー作成時は細かく原材料を記載することがポイントです。多言語で食事制限にも配慮したメニューを作成すれば、競合店との差別化になり、訪日外国人客の集客につながります。

インバウンド集客の方法や注意点については、以下の記事も参考にしてください。

今すぐ取り組みたいインバウンド集客!飲食店が取るべき対策と注意点

2. Wi-Fiを使えるようにする

以前より不満が減ったとはいえ、未だに日本のWi-F環境に不満を感じる訪日外国人客が一定数存在します。そこで、自店でWi-Fiを使えるようにしてアピールすれば、訪日外国人客の来店率アップにつながるでしょう。

3. 決済システムを整える

クレジットカードやモバイル決済の利用が一般的な訪日外国人客にとって、決済がスムーズであることは重要です。

また、多言語対応で事前にネットで予約や決済のできるシステムを導入しておくと、訪日外国人客が安心して利用できるでしょう。

参考:中小機構「J-Net21 飲食店での外国人対応について、注意点を教えてください。」

4. 簡単に予約できるようにする

来店してからのインバウンド対策が万全でも、来店していただかなければ意味がありません。そこで重要なのが、予約受付です。日本に来る前に情報収集し予約までする訪日外国人客も想定されますし、日本に滞在中に予約を検討する人たちも多数いらっしゃいます。そこで、予約受付が日本語対応の電話のみでは、機会損失につながってしまう可能性が高まります。

ネット予約を導入したり、訪日外国人客に効果的な予約ツールの活用やホテルコンシェルジュと連携したりなど、いまから訪日外国人客に来店してもらうためのインバウンド対策にもしっかり取り組んでおきましょう。

飲食店もインバウンドを意識して売上アップ

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飲食店がこれらのインバウンド対策を実施することで、訪日外国人客を受け入れやすくなり、インバウンド観光による経済効果を最大限に引き出すことができます。訪日外国人客をターゲットにした戦略的なアプローチで、集客力アップ、売上の増加を目指しましょう。

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