【料理人と話す】銀座いわ 岩 央泰氏

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2020年8月10日 - 3 min read

【料理人と話す】銀座いわ 岩 央泰氏

銀座いわ店主・岩 央泰氏に聞く 世界に誇る食の芸術「Sushi」の魅力とは

料理人と話す「銀座いわ・岩 央泰氏」

東京・銀座に構える「銀座いわ」。ミシュラン2018でも一つ星を獲得し、毎日世界中から食通が押し寄せる人気店です。そんな「銀座いわ」の店主で寿司職人歴23年の岩さんにお話を伺いました。

銀座いわ店主 岩 央泰氏
銀座いわ店主 岩 央泰氏


ー では早速お話をお伺いします!まずは、なぜ寿司職人になろうと思ったか教えていただけますか?


きっかけは親戚の兄貴でした。私が6歳の時に「一緒に寿司屋をやろう」と誘われたんです。その頃から寿司屋になると決めていたので、高校卒業後は調理の専門学校に入り、その後「久兵衛」で修業を始めました。久兵衛では約3年働き、次に「鮨かねさか」の立ち上げで入店し約13年働いた後、独立しました。
結局寿司職人になったのは、私だけですけどね(笑)。



ー もっとも影響をうけた調理人はどなたですか?


久兵衛で働いていた時の先輩です。影響をうけたという以上に、調理人としての根幹となる考え方を作ってくれたのがその先輩です。
例えば、ネタを切る包丁やネタをしまう箱を洗う時、「すみずみまでしっかり洗え」と教えてもらいました。なぜなら、お客様の口に入るものを“切る”、“しまう”ものだからです。たとえ直接お客様の目に触れないものであっても、きちんと油を落として綺麗に磨き上げておく。当たり前のことのようですが、その当たり前こそがすべての基本なんだということを教えてもらいました。

当たり前こそがすべての基本であることを学んだ修業時代
当たり前こそがすべての基本であることを学んだ修業時代


ー きっとそれは料理人の方々以外にも総じて通じる大切な教えですね。そんな岩さんでも“課題”と感じることはありますか?


そうですね…お客様との対話ですね。お店においでくださるお客様全員とウマが合えばいいですが、現実は、100人いたら100人全員とウマが合うということはありえません。とはいえ、おいでいただくお客様みなさんに、雰囲気も含め満足してもらいたいと思っているので、会話も含めたお店作りには常に気を配っています。今は独立したので、ある程度“自己流”でも個性として受け入れていただけますが、雇われの身ではそんな勝手は言えないのでけっこう悩みましたね(笑)。



ー 寿司職人として一人前になるには多くの時間が必要だと聞きましたが、その点についてはどう思われますか?岩さんのようになるにはどのくらいの年月がかかるんでしょう?


これは難しいですね。だいたい「十年ひと区切り」とは言われますけど、時代も変わってきているので一概になにが正解とは言えません。そもそも、一流と二流、二流と三流の違いって言葉で説明するのは難しいですよね。結局は、大事なことに気付いてやるかやらないか。それに尽きると思っています。

例えば、寿司を握る時。多くの人がシャリにネタを乗せた時にその寿司が完成していると思っているかもしれませんが、私はシャリを手にとった瞬間にすべてが決まっていると考えています。
寿司で一番大事なのはシャリ。シャリがぶれると、全体がブレてしまう。なぜなら、ひとつひとつのネタに合わせてシャリを用意するのではなく、シャリに合うようにネタを準備・調整しているからです。それぞれ個性の違うネタを、すべて美味しく召し上がっていただくためには、まずはしっかり“土台”となるシャリを整えた上で、その“土台”に合わせてネタを手当てしていく必要があります。

寿司で一番大事だとされるシャリ
寿司で一番大事だとされるシャリ


ー いいシャリをつくるためのレシピはありますか?


うーん。一概に言葉だけで表現するのは難しいですね…「食べた時に美味しいシャリ」としか言いようがないんです。いいシャリを作るための画一的なレシピはありません。それは、作り手が違えば、同じシャリや同じネタを使っても、同じ寿司はできないのと一緒です。私にとってのいいシャリというのは、米を掴んだ瞬間の感覚で分かるんですが、こればかりは言葉だけでは表現しきれないです。



ー シャリ以外で、美味しい寿司を作る上で欠かせないものはなんですか?例えば高価な魚を仕入れることは大切ですか?


いい魚を仕入れることは大事ですが、それだけでは美味しい寿司はできません。大事なのは、いかに魚を「きちんと下ろせているか」です。魚の値段に関わらず準備のプロセスはすべて一緒です。例え高価な魚を仕入れたとしても、その魚にあう下処理や仕込みができなればまったく意味がないんです。



ー どうして寿司はほかの日本料理と比べて高価なんでしょうか?


それは古くからの習慣が影響しています。もともと寿司は「ファストフード」だったんですよ。その昔、銭湯のそばなどの路上に“屋台”のような小屋を用意して握りはじめたのが、寿司のはじまりだと言われています。なので、昔は特別でも何でもなかった。ただ、いつの頃からかお祝い事や特別な日に食べることが習慣となった結果、寿司は“高価で特別な日に楽しむもの”をいう認識が一般化したのではないかと思います。



ー 世界で寿司人気が高まっていますが、日本の伝統的な寿司を海外ので再現するのは難しいと思いますか?


個人的には難しいと思っています。

私はこれまでも何度も海外へ行って、寿司のノウハウを教えてきました。最善の方法は、こちらが現地にいって、現地で意欲のある人に教えることだと思ってますし、そうすればビザの問題もないですしね。ただ問題は、言葉の壁があること。感覚的なことを表現しきれるだけの言語力がないと、旨い寿司をつくる上で欠かせない重要なポイントを伝えきれないんです。そうすると自ずとまったく同じものは再現できない、ということになりますよね。
加えて、それぞれの国でその国に暮らす人の好みがあるということも影響します。日本の伝統的な寿司を持ち込んでも、それが必ずしもその国の人にとって美味しいかは分かりません。たとえ自分は旨い思っても、食べる人が美味しくないと思ったら意味がない。すべてを完璧に再現することだけが正解ではないと思っていますし、現地の人が美味しいと思う「寿司」に常に変化していっていいのでは?と思っています。

繊細かつ大胆な手さばきで美しくネタを仕上げる
繊細かつ大胆な手さばきで美しくネタを仕上げる


ー 国内、国外の調理人の働き方について、違いはあると思いますか?


海外の働き方事情には詳しくはないですが、例えば8時間労働だった場合、海外では時間できっちり帰るケースが多いのではないかと思います。でも日本ではほとんどないですよね。
同じ8時間を与えられても、人それぞれできる仕事には差が出ます。だとしたら、できない人はできる人以上に努力しないと追い付けないわけで、そうなると8時間以外の時間は本人のやる気次第です。働きたいと思った場所で働けているのであれば、あとはそこでいかに努力をするかどうかで伸び率がまったく違うと思いますが、そういう考え方は日本的なんだと思います。



ー 岩さんの考える、今日本の飲食業界が抱える課題を教えてください。


ごみ問題や食品ロスですね。たとえば(調理人に限らず)、魚一匹を丸ごと使いきれる人、使い切る人がどのくらいいるんでしょうか?頭や内臓、骨まですべて食べますか?私は殆どの人がノーと答えると思います。ということは、その捨ててしまう部分を捨てずに活用できなければいつまでもゴミは減らないわけです。もちろんそれには知識や技術が必要ですが、各世代が取り組んでいかなければ、日本のような小さな国ではいつかゴミを捨てる場所に困るような事態になりかねないですよね。(中国の『外国ゴミ輸入禁止』にも触れる)加えて、食品ロスも問題です。これだけ外国からの輸入に頼っている状況にも関わらず、いつまでも裕福だと勘違いしてしまっている。ある日突然、輸入がストップしたらどうなってしまうのかな・・・と考えると恐ろしいですね。
他人事にはできない問題ですね。



ー それでは、最後の質問です。岩さんを「寿司」に例えるとどのネタですか?


うーん…アナゴか玉子じゃないかな。そのこころは、「どちらも甘い」ってね(笑)。



ー 笑。貴重なお話をありがとうございました!




時に冗談を交えながら、終始和やかな雰囲気でお話をしてくださった岩さん。世界中から食通が訪れる「銀座いわ」の魅力は、お客様1人1人を丁寧にもてなす岩さんのお人柄だと感じました。


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